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執筆者の写真企画室:藤田

ひょこすこ一座さんご来所!

更新日:2022年12月6日

ついについにご来所いただけました!スコップ三味線で有名な「ひょこすこ一座」のみなさん!今回はなんと総勢15名様です。

まずはここから幕開け、本日大活躍の佐藤白雲斎さんと二人のお弟子さんによります「南京玉すだれ」!日本の大道芸のひとつで「アさて、さて、さてさてさてさて、さては南京玉すだれ」の掛け声にはわたしなんかは心の膜がビンビン共鳴してしまいます。「ちょいとひねれば、ちょいとひねれば」と言いながらすだれを色々なものに見立てて変形させていく芸ですが、やり過ぎたのでしょうか、下の写真ではすだれがビローンと伸びちゃってます。大丈夫?

続いて楽笑会さん(佐藤白雲斎さん)によります胡椒の舞ならぬ「胡蝶の舞」!これは白い半紙を破って蝶を作り、これに扇子で風を送って、半紙で作った蝶をまるで生きているかのように空中を舞わせるという、日本古来からの伝統的な奇術のひとつ。「和妻(わづま)」とも呼ばれているそうですが、恥ずかしながらわたしは耳にしたことがありません。下の写真で舞っているのは2匹の蝶ですが、ここからわんさかわんさか蝶が増えてきて、ついには会場の中を蝶の大群がもうもうと舞うのでした。最後には蝶を舞わせる白雲斎さんの目が舞ってしまいそうです。

そしてお待ちかね!やってまいりました、これぞスコップ三味線!下の写真中央におられますのが、「五日市スコッパーズ」代表の「弥山(みせ)太郎」さん。スコップ三味線の本家元祖「津軽すこっぷ三味線」の家元「舘岡(たておか)屏風山(びょうぶさん)」さんより直接に教えを受け、それを広島は五日市で広め伝えておられます。

その1曲目は「千恵っ子よされ」。津軽の天才少女と謳われた「岸千恵子」(1942-2011)さんの1985年のヒット曲。歌いながらステージを所狭しと走り動き回る「ゆさぶり民謡」というパフォーマンスを確立されたそうです。その様子はリンクを張った動画から窺うことができます。確かに一驚に値する歌い方です。「よされ節」というのは東北地方に伝わる民謡で、津軽三味線や太鼓で演奏されるにぎやかな曲調のものだそうです。スコップ三味線にはピッタリなのかもしれません。

続いて2曲目はご存知ベンチャーズの大ヒット曲「ダイヤモンドヘッド」です。これってスコップ三味線のためにこそあるような、そんな曲ですね。もう、みなさんノリノリのノリになって身体を揺さぶっています。

ところで上の写真でおわかりでしょうけど、五日市スコッパーズのみなさん「息が大変なんでここでマスクを取らせていただきます」なんて言ってマスクを取ると、普通のマスクの下にこんなマスクをされておられました。コロナ禍ならではのナイス・ジョークです。3曲目は民謡じゃないけどこれ!「浪花節だよ人生は」。かつての細川たかしさんの大大ヒット曲。と言ってもこの曲は細川たかしさんのために作られた曲ではなく、細川さんはこの曲の3人目の歌い手なんだって。知らなかったー!ジャジャジャ・ジャン、ジャージャン、テケテッテ、テケテケツンツン、ジャジャジャ・ジャン、ジャージャン、と始まるノリは、もう日本人なら誰だってわかるノリ!これをスコップで演られた日にはもう、たまらんです。

続きまして鈴木幸子さんによる「銭太鼓」。

銭太鼓は出雲地方に古くから伝わる楽器だそう。この銭太鼓をわれらがカープ「それゆけカープ」に乗せて打ち鳴らします。銭太鼓は竹の筒に片側に3枚ずつ、穴の空いた硬貨を左の写真(Wikipediaより)のように入れて、竹筒2本で全部で12枚の硬貨が入っているそうです。この12というのは、1年間を意味しており、この銭太鼓を聴くと1年間の幸せがやってくるそうです。その上、演じる方のお名前が「鈴」木「幸」子さんなんだから、その硬貨ならぬ効果は絶大でしょう!


続きましては白雲斎さんによる「腹踊り」。「どうにも止まらない」「狙いうち」に乗って、どうにもユーモラスで可笑しい踊りをお腹だけで表現します。でもそのポイントは(右の写真からもわかるように)実はお腹の下の、やや内股気味の脚の使い方にあると見ました。このお腹に描いてあるのはよく見ると女性です。ひょっとしたら正月の福笑いによく出てくる「おかめ」さんじゃありませんか?そしてその女性ならではのお色気をこの内股で表してる!わたしはそう見ます。このお腹でもってお客さんのすぐ間近に迫ります。お腹が近くにやってくると、お客さんは何も言われなくても、お腹に触ったりさすったり叩いたり手を合わせて拝んだり。お客さんであるデイサービスの利用者様たちも、もう日頃のいつもの表情ではありません。嬉しそうで楽しそうで、すごいエネルギーを発しておられます。ですがこの腹踊り、別名「へそ踊り」とも言うそうですが、演者のお腹はぽっこりとして柔らかそうでうねうねと動くようでなけりゃあさまになりませんね。


そしていよいよ「五日市ひょっとこ倶楽部」さんと「JAレディースひょっとこサークル」さんたちによる「ひょっとこ踊り」です。これ、流れる曲と先頭で出てきたきつねの動きがすごい素敵。というか興味が湧いてくる。そんなリズムとメロディと動きです。

左がきつね。手足や首をコマ送りのような動きにして踊り現れます。踊りのストーリーとしてはこのきつねが下の写真右のおかめを連れ去り、そのおかめを村の衆ひょっとこ(おかめの左)が追いかけて、踊りながらおかめを助けます。

この「ひょっとこ踊り」、一見江戸時代とかそのもっと前から続く伝統芸能なんだろうなと思っていましたが、調べてみると思いの外新しい。その発祥は宮崎県日向(ひゅうが)市にあり、始まったのは明治の終わり頃だったとか。

踊りの詳しいことはわかりませんが、この踊りに出てくる「おかめ」と「ひょっとこ」というキャラクターは馴染み深いようでいて考えてみるとなんの馴染みもなかったりするような、ちょっと不思議というか、ちょっとエキセントリックなキャラですね。

そんなことに関しても、これを機にもっとくわしく知りたくなるような、そんな踊りでした。



踊りの最後にはわたしも物語の中に入り込んだのか、「おかめ」さんから言い寄られたりして、いやあエキゾチックで稀有な体験をさせていただきました。

そして会もいよいよ大詰め。大団円です。最後はみなさん総出で「だいじな人だから」の大合唱。

これは青森県出身の演歌歌手「林あさ美」(1977-)さんが1998年にリリースされた曲。林あさ美さんは演歌歌手とは思えないルックスをした方で、「演歌界のアムラー」と呼ばれていたそうです。

こうして無事、大盛りあがりのまま、第2回サンシャイン「スコップ三味線:ひょこすこ一座の会」を終えることができました!代表の弥山(みせ)太郎さんこと平山春夫さん、色々とありがとうございました。事前打ち合わせでご来所され、一座の概要や当日のプログラムや音響の打ち合わせ用紙など資料をたくさん用意してくださいました。ありがとうございました!また次回もよろしくお願いします!


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